茅茨ばうじ)” の例文
私はそこから茅茨ばうじ瓦甍がばうと相連つた町を通抜けて、松並木の凉しい影を成してゐるところから、次第にさびしい、水車などのきしつてゐる、処々に草深い水の咽んで流れてゐる
伊良湖岬 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
其状鎧をかうぶ幞頭ぼくとうくわんし手にこつを持る、顔貌も甚おごそかならず。造作の様頗る古色あり。豊岡八幡の社にいたる。境中狭けれども一茂林もりんなり。茅茨ばうじの鐘楼あり。一里卅丁板鼻駅、二里十六丁松井田駅なり。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)