英一蝶はなぶさいっちょう)” の例文
やがて談話はなしはそれからそれへと移って遂には英一蝶はなぶさいっちょう八丈島はちじょうじまへ流された元禄の昔にまでさかのぼってしまったが
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
柳沢吉保が、将軍を邸に迎え、宴席におのれの妻娘をはべらせた、というのをふうしたものだそうで、その作者である町絵師、英一蝶はなぶさいっちょうは、とがめをうけて流罪るざいになった。
山彦乙女 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
英一蝶はなぶさいっちょうの島で作ったクサヤの乾物を捜した晋其角しんきかくのような熱心さで、——がしかし、それっきり私は孝行娘のあの可愛らしくいじらしい納豆売にめぐり逢う機会を持たなかったのです。
英一蝶はなぶさいっちょうはかく嘆じたという。大津絵の「相撲」図に書き記した賛である。戯画家であった彼は、大津絵と相撲をとっては勝ち味がないのを知ったのである。この謙遜けんそんな承認は全く正しい。
民芸四十年 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)