苅萱道心かるかやどうしん)” の例文
しかもそのような事態ではトテモ結婚式を挙げる訳に行くまいが……耶蘇やそ教の苅萱道心かるかやどうしんみたような事になりはしないか、という母親の懸念であったが
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
聞いてびっくり苅萱道心かるかやどうしんなら、妻妾の髪が蛇となって闘うを見て発心したのだが、この王は自分が蛇となった前夜の夢を憶い出して奇遇にあきれ、后をゆるしてまた問わず。
○九月、歌舞伎座にて沢村訥升は七代目沢村宗十郎を襲名し、「高野山」の苅萱道心かるかやどうしんを勤む。
明治演劇年表 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
苅萱道心かるかやどうしんみたいに神妙にしておりますがね、昨日あの家のお内儀かみさんが死んだんです。
水鉄のおじさんはと見れば、墨染すみぞめの衣を着て浅黄縮緬あさぎちりめん頭巾ずきんかむり、片手に花桶片手に念珠ねんじゅ、すっかり苅萱道心かるかやどうしんになり澄ましていたが、私を見ると、「や、石童丸が来た、来た。」と云った。
桜林 (新字新仮名) / 小山清(著)
道庵の昂奮もそのいわれがないではないが、何をいうにも、この祭文語りは山伏に近い古風なもので、ことに語り物が、哀婉あいえんたる苅萱道心かるかやどうしんの一節と来ているのだから、多少の菩提心ぼだいしんをこそ起せ
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
苅萱道心かるかやどうしんの一節を語り出している。
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)