花壺はなつぼ)” の例文
もたがまちの角の花壺はなつぼのねむり草が、しょうことなしに、葉のまぶたさきの方から合せかけて来た。
母子叙情 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
水に足をひたされて、ハッとわれにかえれば、これは野陣のじんの人々の飲料水いんりょうすいである。反間はんかんてきどくこんじられないようにわざと、花壺はなつぼに見せかけておいた生命いのちの水にちがいない。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)