良子よしこ)” の例文
聞いているのは鹿島啓吉とその妹、研究所長の子供たちで、啓吉はまだ文科大学生だし、妹の良子よしこは府立第×女学校の水泳の選手であった。
水中の怪人 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
蘭軒の遺弟子ゐていしは所謂又分家の良子よしこ刀自所蔵の門人録に八十一人、所謂分家のめぐむさん所著しよちよの歴世略伝に二十一人が載せてあつて、二書には互に出入があり
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
光三みつぞう光丸みつまる、という芸名で、若松検番から出ているが、おたがいの間では、時子ときこ良子よしこ、と、本名を呼びあった。光丸が養女になっている辻木惣八の「竹の家」に、光三も同居している。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
たゞに国文をじゆするのみではなく、支那の典籍にも通じてゐた。現にめぐむさんの姉良子よしこ刀自は、たかが子に授けむがために自ら書した蒙求まうぎうを蔵してゐる。拇指大ぼしだいの楷書である。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
そういうと、良子よしこは、ぱっと赤らんだ。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)