胆玉きもたま)” の例文
旧字:膽玉
お前さんはお金子かねが自由だろう、我儘わがままが出来るじゃあないか。気象はそのとおりだし、胆玉きもたまおおきいし、体は鍛えてある、まあ、第一、その目つきが容易じゃあない。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
匂い袋なんぞを持っているけに、たわいもない柔弱者かと思うと、油断のないたいの構え、足の配り……ことに彼の胆玉きもたまと弁舌が、年頃と釣合わぬところが奇妙じゃ。
斬られたさに (新字新仮名) / 夢野久作(著)
子供の時分にこの臆病な私の胆玉きもたまを脅かしたものの一つは雷鳴であった。
家庭の人へ (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
……が……その時のお八代さんの胆玉きもたまわりようばっかりは、今思い出しても身の毛が竦立よだちます。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)