群雀むらすゞめ)” の例文
我が爲の道具につかひて、これを足代にとれば何の恥かしきことか、却りて心をかしかるべし、誹はほまれの裏なれば、群雀むらすゞめの囀りかしましとても、垣のもとの諸聲は天まで屆かず
花ごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
朝日あさひかげ窓にまばゆき頃、ふらふらと縁前えんさきに出づれば、くや、檐端のきばに歌ふ鳥の聲さへ、おのが心の迷ひから、『そなたゆゑ/\』と聞ゆるに、覺えず顏を反向そむけて、あゝと溜息ためいきつけば、驚きて群雀むらすゞめ
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)