網走あばしり)” の例文
網走あばしり川の川口から海岸伝いに北へ行くと、二つ岩というのがあり、そこの海岸にペシュイ(3)と呼ばれる洞窟がある。
密告されて、網走あばしりの監獄に十五年の刑期を喰込くらいこんだ。おまけに財産の全部をお前に持逃げされてしまった
継子 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
戦争のさ中に、これが治安維持法違反で無期を言い渡され、近く網走あばしりへおくられる夫と、その妻の確信をもっていう言葉だったのである。そしてその通りになった。
妻の座 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
帶廣おびひろは十勝の頭腦、河西かさい支廳の處在地、大きな野の中の町である。利別としべつから藝者雛妓おしやくが八人乘つた。今日網走あばしり線の鐵道が※別りくんべつまで開通した其開通式に赴くのである。
熊の足跡 (旧字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
その後暑さ寒さの何年かを冬は流氷の流れ寄る網走あばしりに送つた。再び上川かみかはに歸つて來てからは、劍淵けんぶち村の市街地に住んで自分で鍬を取り、冷害による凶作の慘をつぶさになめもした。
東旭川村にて (旧字旧仮名) / 島木健作(著)
明治四十三年九月二十四日、網走あばしり線が㓐別まで開通した開通式の翌々日である。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
釧路の驛へ行くと、午後三時半の網走あばしり行きがあつたので、その汽車へ乘る。
池田驛から分岐する網走あばしり線鐵道の竣工した曉には釧路、十勝、北見三國の呑吐港となり、單に地理的事情から許りでなく、全道に及ぼす經濟的勢力の上でも釧路が「東海岸の小樽」となる日が
菊池君 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
網走あばしりの近くにわざわざ来ることはなかったな」
いやな感じ (新字新仮名) / 高見順(著)
虎蔵は一箇月ばかり前に、網走あばしりの監獄を破った五人組の一人であった。
白菊 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
池田駅から分岐する網走あばしり線鉄道の竣工した暁には、釧路、十勝、北見三国の呑吐港どんとこうとなり、単に地理的事情から許りでなく、全道に及ぼす経済的勢力の上でも釧路が「東海岸の小樽」となる日が
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
北見国網走あばしり地方で。