絵団扇えうちわ)” の例文
旧字:繪團扇
庸介は暑苦しいので、着て来た洋服をすぐに浴衣ゆかたに替えた。そして久し振りの挨拶が一通りすむと、絵団扇えうちわで襲いかかる蚊を追い払いながら
田舎医師の子 (新字新仮名) / 相馬泰三(著)
座につくとしおらしく畳に指をつかえ、「済みませんでした」と言った。ぐそこにあった絵団扇えうちわを執って、けろりとして二人に風を送りにかかった。
雛妓 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
虫籠、絵団扇えうちわ蚊帳かや青簾あおすだれ風鈴ふうりん葭簀よしず、燈籠、盆景ぼんけいのような洒々しゃしゃたる器物や装飾品が何処の国に見られよう。
夏の町 (新字新仮名) / 永井荷風(著)