終曲フィナーレ)” の例文
実は、終曲フィナーレ近くで、二つの提琴ヴァイオリンが弱音器を付けたのですよ。ですから、かえって私は、ベルリオーズの幻想交響楽シンフォニカ・ファンタジアでも聴く心持がしました。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
『シルラーの詩「歓喜への頌歌」による合唱を終曲フィナーレとせる交響曲』と題されていることをよく注目しなければならない。
曲は第四楽章の終曲フィナーレに入ると、自分のパートのなくなった楽員は、一人ずつ、一人ずつ、譜面台の前の蝋燭ろうそくを消してステージから去り、最後に第一ヴァイオリンが二人と指揮者だけが残って
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
死に先だつ四カ月のとき、一八二六年十一月に書き上げた最後の楽章、すなわち作品第百三十の弦四重奏曲クワルテットの書き直された終曲フィナーレははなはだ快活なものである。
低音のげんのみが高く圧したように響き、その感じが、天国の栄光に終る荘厳な終曲フィナーレと云うよりも、むしろ地獄から響いてくる、恐怖と嘆きのうめきとでも云いたいような
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
この交響曲は終曲フィナーレまたはアダジオの中に声楽を入れることによって特徴づけられることができよう。オーケストラのヴァイオリン等は最後の楽章で十倍にする。
*原注——その時ベートーヴェンは生涯の最後の作品(弦四重奏曲クワルテット、作品第百三十番の第二の終曲フィナーレ
『第五交響曲』や『第九交響曲』の、あの心を酔わせる終曲フィナーレこそは、打ち倒された自分自身の身体の上に、勝ち誇って光明に向かって立ち上がる、解放された魂以外の何者であるか?