細故さいこ)” の例文
養玄は嘗て一たびかえの所生のぢよ梅をめとつて、後にこれを出したものである。然るに伊沢岡西二家の人々は殆細故さいこ意に介するに足らずとなすものの如くである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
た正科の外、別に英語の一科を設け、子弟をして深く新主義の蘊奥うんのうに入り、つまびらかにその細故さいこを講ずるの便を得せしめんと欲するは、余の諸君と共に賛する所なり。
祝東京専門学校之開校 (新字新仮名) / 小野梓(著)
信条的構造と見られる、建築の手法、細故さいこのテクニックにわたっての是非は知らず、楼門廻廊の直線と曲線が、あるいは並び下り、あるいは起き伏すうねりにつれて、丹碧たんぺき剥落はくらくしたりとはいえ
不尽の高根 (新字新仮名) / 小島烏水(著)