紫繻子むらさきじゆす)” の例文
赤い襦袢じゆばんの上に紫繻子むらさきじゆすの幅広いえりをつけた座敷着ざしきぎの遊女が、かぶ手拭てぬぐひに顔をかくして、まへかゞまりに花道はなみちから駈出かけだしたのである。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
父は雛を売りさへすれば、紫繻子むらさきじゆすの帯を一本買つてやると申して居りましたから。……
(新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)