トップ
>
紙漉場
>
かみすきば
ふりがな文庫
“
紙漉場
(
かみすきば
)” の例文
近頃は同じ市の中に編入されましたが、もとの中田村
柳生
(
やなぎう
)
に
紙漉場
(
かみすきば
)
があります。ここで他ではほとんど作らない紙を漉きます。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
露路の入口は狭いが、奥には可なりに広いあき地があって、ここら特有の
紙漉場
(
かみすきば
)
なども見えた。藤助の家にも小さい庭があって、桃の木が一本立っていた。
半七捕物帳:69 白蝶怪
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
前には野原のように広い
紙漉場
(
かみすきば
)
があった。其所を折れ曲って町つづきへ出ると、狭い川に橋が懸っていた。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
家へ帰ると、気をきかして
何処
(
どこ
)
かへ
用達
(
ようた
)
しにやったとみえて、作の姿は何処にも見えなかったが、
紙漉場
(
かみすきば
)
の方にいた養父は、おとらの声を聞つけると、直に裏口から上って来た。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
不意を
衝
(
う
)
たれてギョッとした虚無僧が、「何をッ」と
天蓋
(
てんがい
)
をハネたのをきッかけにして、二本の白刃へ向って集まる十手の疾風が、まず
紙漉場
(
かみすきば
)
の裏あたりから凄まじい乱戟の渦紋を起こして
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
仕事として大きいのは
比企
(
ひき
)
郡
小川
(
おがわ
)
町の
手漉紙
(
てすきがみ
)
であります。川に沿うて点々と昔ながらの
紙漉場
(
かみすきば
)
を見られるでしょう。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
そして終日庭むきの部屋で針をもっていると、
頭脳
(
あたま
)
がのうのうして、寿命がちぢまるような
鬱陶
(
うっとう
)
しさを感じた。お島は
糸屑
(
いとくず
)
を払いおとして、裏の方にある
紙漉場
(
かみすきば
)
の方へ急いで出ていった。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
最前からこの辺へ、うさん臭い男がウロついていましたので、
嬶
(
かか
)
あにも油断をするなと言っていますと、案の定、向うの
紙漉場
(
かみすきば
)
へ人数が集まって、いつのまにか八方を塞いでしまった様子です。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
甲州にはまた
紙漉場
(
かみすきば
)
もあって、
南巨摩
(
みなみこま
)
郡西島村や
西八代
(
にしやつしろ
)
郡
市川大門
(
いちかわだいもん
)
などに、今も仕事が見られます。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
紙漉場
(
かみすきば
)
などをもって、細々と暮していた養家では、その頃不思議な利得があって、
遽
(
にわか
)
に身代が太り、地所などをどしどし買入れた。お島は
養親
(
やしないおや
)
の口から、時々その折の不思議を
洩
(
も
)
れ聞いた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
紙
常用漢字
小2
部首:⽷
10画
漉
漢検準1級
部首:⽔
14画
場
常用漢字
小2
部首:⼟
12画
“紙漉”で始まる語句
紙漉
紙漉村
紙漉阿原