“紙凧”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たこ57.1%
かみだこ42.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
小川町おがわまち紙凧たこ屋、凧八で十文で買ったからす凧。けさ早くから二番原へやってきて、夢中になって凧あげをしている。
顎十郎捕物帳:07 紙凧 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
道はよく乾き、風のために塵埃じんあいが立っていた。家並の遠くの空に、紙凧たこが二つ三つ上っていた。そしてそれは風に揺れていた。それを見ながら彼は駅の方にあるいた。
黄色い日日 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
龍という緑の文字が書かれてある紙凧かみだこがひっそりあがっている。あの紙凧から垂れさがっている長い尾を見るとよい。
彼は昔の彼ならず (新字新仮名) / 太宰治(著)
恰幅かっぷくのよい長身に両手をだらりと垂らし、投出して行くような足取りで、一つところを何度も廻り返す。そうかと思うと、紙凧かみだこの糸のようにすっとのして行って、思いがけないような遠い売場にたたずむ。
老妓抄 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)