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紅殻色
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べんがらいろ
ふりがな文庫
“
紅殻色
(
べんがらいろ
)” の例文
店の
紅殻色
(
べんがらいろ
)
の壁に天狗の面が
暴戻
(
ぼうれい
)
な赤鼻を街上に突き出したところは、たしかに気の弱い文学少年を圧迫するものであった。
銀座アルプス
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
向う岸は倉庫と倉庫の間の空地に、
紅殻色
(
べんがらいろ
)
で塗った柵の中に小さい
稲荷
(
いなり
)
と鳥居が見え、子供が
石蹴
(
いしけ
)
りしている。
河明り
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
姉妹は眠つた、母親は
紅殻色
(
べんがらいろ
)
の格子を締めた!
在りし日の歌:亡き児文也の霊に捧ぐ
(新字旧仮名)
/
中原中也
(著)
船はタンジョンパガールの
埠頭
(
ふとう
)
に横づけになる。右舷に見える
懸崖
(
けんがい
)
がまっかな
紅殻色
(
べんがらいろ
)
をしていて、それが強い緑の樹木と対照してあざやかに美しい。
旅日記から
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
椰子
(
やし
)
の林に野羊が遊んでいる所もあった。
笹
(
ささ
)
の
垣根
(
かきね
)
が至るところにあって故国を思わせる。道路はシンガポールの
紅殻色
(
べんがらいろ
)
と違ってまっ白な
花崗砂
(
かこうしゃ
)
である。
旅日記から
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
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椰子
(
やし
)
の木の森の中を縫う
紅殻色
(
べんがらいろ
)
の大道に馬車を走らせた時の名状のできない心持ちだけは今でもありあり胸に浮かんで来るが、細かい記憶は夢のように薄れて
病室の花
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
そうして目に見えぬ漏斗から
紅殻色
(
べんがらいろ
)
の灰でも落とすようにずるずると直下に
堆積
(
たいせき
)
した。
Liber Studiorum
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
紅
常用漢字
小6
部首:⽷
9画
殻
常用漢字
中学
部首:⽎
11画
色
常用漢字
小2
部首:⾊
6画
“紅殻”で始まる語句
紅殻
紅殻塗
紅殻染
紅殻入
紅殻板
紅殻格子