“紅殻塗”のいろいろな読み方と例文
旧字:紅殼塗
読み方割合
べにがらぬ33.3%
べんがらぬ33.3%
べんがらぬり33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして、一顧もせずに急いでゆく先の影を追って、四、五丁ほどもついて行くと、城番屋敷か柳沢家の重臣の邸宅でもあろうか、高い土塀つづきに紅殻塗べにがらぬりの腕木門うでぎもんが向うに見えます。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
灰色の壁と純白な窓掛けとで囲まれたきりで、色彩といえばただ鈍い紅殻塗べんがらぬりの戸棚とだなと、寝台の頭部に光る真鍮しんちゅうの金具のほかには何もない、陰鬱いんうつに冷たい病室が急にあたたかくにぎやかになった。
病室の花 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
表の古びた紅殻塗べんがらぬりの千本格子には「本願寺参詣人定宿××詰所」と書いた煤けた掛行燈あんどんが薄暗い光を放つて掛つて居た。
世の中へ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)