“べんがらいろ”の漢字の書き方と例文
語句割合
紅殻色100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
船はタンジョンパガールの埠頭ふとうに横づけになる。右舷に見える懸崖けんがいがまっかな紅殻色べんがらいろをしていて、それが強い緑の樹木と対照してあざやかに美しい。
旅日記から (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
椰子やしの林に野羊が遊んでいる所もあった。ささ垣根かきねが至るところにあって故国を思わせる。道路はシンガポールの紅殻色べんがらいろと違ってまっ白な花崗砂かこうしゃである。
旅日記から (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
椰子やしの木の森の中を縫う紅殻色べんがらいろの大道に馬車を走らせた時の名状のできない心持ちだけは今でもありあり胸に浮かんで来るが、細かい記憶は夢のように薄れて
病室の花 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)