糾問きゅうもん)” の例文
ところへ潮加減を量って法印玄以、施薬院全宗、宮部善祥坊、福原直高、浅野長政諸人が関白の命を含んで糾問きゅうもんに遣って来た。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
おびき出そうとする手段か、しからずば隊長を殺したと称して、我々を乱す計略に相違ない、使者の者を留めて置いて、再応仔細を糾問きゅうもんすべし
彼も容易に糾問きゅうもん緒口いとぐちを逃がさなかった。御方は新九郎がやや嫉妬めいて、ここまで口をいて来たのを、思う壺まで手繰り得たものとして
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
上皇は事の次第を糾問きゅうもんしようとしたが、太后が口をそえて、あの実直な諸兄にそのようなことがあり得る筈はありませぬ、といさめたので、上皇も追求しなかった。
道鏡 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
「いや一応、御陣所まで引っ立てて糾問きゅうもんのうえにすべきだろう。織田方によしみを通じておるやつならなおさらのことだから」
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
十河そごう殿の面前にて、厳しく糾問きゅうもんをうけていましたが、各〻とのお約束の茶事、むなしくたがえては、宗易が恥、いかがせんかと、心を砕きました。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いかにも神妙なていである、この男は、いったい物事をかくすということを知らない愚直者かしらと、糾問きゅうもんに当った勝頼もすこし張合いのない程であった。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼は、見るからに善良な、そして何を質問しても隠さないこの一捕虜にいつか軽い揶揄やゆを試みたり、皮肉な微笑を見せなどして、糾問きゅうもんに当っているのであった。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『御上意である。内匠頭、糾問きゅうもんの役目、其方共に申しつける。取り急いで、屹度きっと、吟味あるように』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「すぐ連れて来い」と、中軍へ二人を呼び、そして軍法にかけて、敗戦の原因を糾問きゅうもんした。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)