等分とうぶん)” の例文
それを聞いて一同は、広告気球の消え去った方角の空と羽田の空とを等分とうぶんながめながら、いつまでも立ちつくしていた。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
着物きものまをすまでもなし、つち砂利じやり松脂まつやにあめぼう等分とうぶんぜて天日てんぴかわかしたものにほかならず。
山の手小景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
私達は四人ではなかつたか? 二萬ポンド等分とうぶんすると五千ポンドづゝになる——あり餘るほど十分だ。公平にしよう——お互ひの幸福が確立されるだらう。今や財産は私に重荷を負はせない。
等分とうぶんにいって、クルリと、まくのすそをまくりあげた。——そして
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)