端緒こぐち)” の例文
夏になると湯治場が流行はやりますが、明治七年あたりは湯治場がまだそろ/\是から流行って来ようと云う端緒こぐちでございました。
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
眼病も大きに全快の端緒こぐちおもむき、少しずつは見えるように相成ったが、その八橋周馬とか申して堀切村にる奴は、全く仇敵かたきの大野惣兵衞に相違ないか
是が間違の端緒こぐち、この娘おやまぜん申上げた白島山平の娘で、弟は山之助さんのすけと申して、親山平は十六年ぜんから行方知れずになり、母はくなって、この白島村の伯父の世話になって居りますが
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
と此の事は稻垣小左衞門が勝って笑って居りましたが、さて物は負けて置きたいもので、これが稻垣小左衞門の災難の始まりで、遂に命を落す程の事になるという、仇討あだうち端緒こぐちでございます。