端々はし/″\)” の例文
思ひ入りたる小松殿の御氣色みけしき、物の哀れを含めたる、心ありげのことば端々はし/″\も、餘りの忝なさに思ひ紛れて只〻感涙にむせぶのみ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
願度依て推參致せりとの言葉の端々はし/″\いまだ十五歳の若年者じやくねんものには怪敷あやしく思へども又名奉行大岡樣の御吟味に間違まちがひのあるべき樣なし由無事よしなきことを訴へ其許迄そのもとまで御咎おとがめ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
私の心臟は早く激しく鼓動して、その動悸どうきが聞えた。不意にそれがとまつた。それを貫き、忽ち頭から身體の端々はし/″\まで傳つて私を動かした云ひ表はせぬ感情の爲めにである。