タテ)” の例文
タテ(垂直)に上屋や屋上や、又軒先から上の空にかけられることがあり、時としては信仰の上から——その場合が却つて多いのだらうが
日琉語族論 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
だが思へば、彼の美しい面を浅薄に陥らしめず、匂やかな深刻味を加へたあの眉間のタテ皺は、此間に出来たものと想像するのは、誤りであらうか。
市村羽左衛門論 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
郎女のヌカの上の天井の光のカサが、ほの/″\と白んで来る。明りの隈はあちこちに偏倚カタヨつて、光りをタテにくぎつて行く。と見る間に、ぱつと明るくなる。そこに大きな花。蒼白い菫。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
なみの人のタテにさげてく大刀を、ヨコタへて吊る佩き方を案出した人である。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)