“窮状”の読み方と例文
読み方割合
きゅうじょう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
泰軒の窮状きゅうじょうを察した忠相が、無心もないのに投げ出したもので、路用としてそれとなく与えるこころ。涙の出るほどのゆきとどきぶり……。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
ハラハラと、とめどないなみだを、その数行の文字にはふり落として立ちすくんでいた伊那丸いなまるは、いそいで小屋に取ってかえし、今の窮状きゅうじょうをかんたんにしたためて、かけもどってきた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
西田の声がして家のなかの空気は見るまにわってしまった。陰欝いんうつな空気が見るまにうすらぐような気がした。糟谷は手短てみじかにきょうのできごとから目の前の窮状きゅうじょうを西田にかたった。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)