穎敏えいびん)” の例文
そうではあるが他の点では御想像が穎敏えいびんで、薫の気持ちをよく理解され、悲しみも慰めるに足るほどな言葉をお出しになった。
源氏物語:50 早蕨 (新字新仮名) / 紫式部(著)
これをたとえば石の地蔵に飛脚の魂を入れたるがごとく、中風の患者に神経の穎敏えいびんを増したるがごとし。その不平不如意はして知るべきなり。
学問のすすめ (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
打候聴候だこうちょうこうは察病にもっとも大切なるものなれども、医師の聴機穎敏えいびんならずして必ず遺漏いろうあるべきなれば、この法を研究するには、盲人の音学にくわしき者を撰びて
学問の独立 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
貴人は直覚でものを見ることが穎敏えいびんであるから、学問のある僧の知らぬことも体得しておいでになって、次第になじみの深くなるにしたがい、かおるの思慕の情は加わるばかりで
源氏物語:47 橋姫 (新字新仮名) / 紫式部(著)
元来婦人の性質は穎敏えいびんにして物に感ずること男子よりも甚しきの常なれば、夫たる者の無礼無作法粗野暴言、やゝもすれば人を驚かして家庭の調和を破ること多し。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
我輩は直ちにその人をとがめずして、我が習俗の不取締にして人心の穎敏えいびんならざるを歎息する者なり。
日本男子論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
その語気の微妙なる部分までも穎敏えいびんに解し得る者あるか、または日本人にして外国語をくし、いかなる日本語にてもその真面目しんめんもくを外国語に写してごうも誤らざる者ありて
日本男子論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
かのみならず国の徳義の一般に上進すると共に、品行論はいよいよ穎敏えいびんとなり、天下後世の談にあらずして、いやしくも不品行者とあれば今日の社会に許されざるを常とす。
日本男子論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
驕傲きょうごうと勇敢と、粗野と率直と、固陋ころうと実着と、浮薄と穎敏えいびんと相対するがごとく、いずれもみな働きの場所と、強弱の度と、向かうところの方角とによりて、あるいは不徳ともなるべく
学問のすすめ (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)