“神社(やしろ)” の例文
聞いてくれ、聞いてくれ、静かに聞け! 俺は土屋庄三郎だ! 去年の春だ、桜の夜だ、甲府の神社(やしろ)へ参詣(おまいり)に行った。その時年寄りの布(きぬ)売りがいた。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
肉体(にくたい)は通例(つうれい)附近(ふきん)の森蔭(もりかげ)や神社(やしろ)の床下(ゆかした)などに隠(かく)し置(お)き、ただ引(ひ)き抽(ぬ)いた魂(たましい)のみを遠方(えんぽう)に連(つ)れ出(だ)すものでござる。
……野村は一層堅く目を瞑つた。と、矢張其時の事、子供を伴れた夫婦者の乞食と一緒に、三晩続けて知人岬(しりとさき)の或神社(やしろ)に寝た事を思出した。キイと云ふ子供の夜泣の声。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)