硬直こうちょく)” の例文
そこには、出来たばかりの人造人間が、ぴーんと硬直こうちょくしたまま、ビールの空壜あきびんを積んだように並べられてあった。実に、世にもめずらしい光景であった。
必ずしもそれほど下品な料簡りょうけんから出るとは限らないという推断もついて見ると、いったん硬直こうちょくになった筋肉の底に、またあたたかい血がかよい始めて、徳義に逆らう吐気むかつきなしに
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そして本で読んだ死後の硬直こうちょく状態になっているのかもしれない、と思ったからです。
妖怪博士 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
なよたけ (突然、烈しい不安に襲われたごとく、表情は硬直こうちょくした)
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
硬直こうちょくした
原爆詩集 (新字新仮名) / 峠三吉(著)
初対面の愛敬あいきょうをうかべて上を仰いだ僕は鼻の先一尺ばかりのところに現われた美しい少女のおもてを見つめたまま急に顔面を硬直こうちょくさせなければならなかった。
階段 (新字新仮名) / 海野十三(著)
するとその人物は、いっしゅん硬直こうちょくしていた。
金属人間 (新字新仮名) / 海野十三(著)