ため)” の例文
箱根竹をためて円蓋を作り、そのしほんに梯子段を持たせて、いつぞやお話した百観音の蠑螺さざえ堂のぐるぐると廻って階段を上る行き方を参考としまして
それには長い年月の間、身にみついている国の方の習慣からしてためて掛らねば成らなかった。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
豈料あたはからんや藤原実美さねとみ等、鄙野匹夫ひやひっぷの暴説を信用し、宇内うだいの形勢を察せず国家の危殆きたいを思はず、ちんが命をためて軽率に攘夷の令を布告し、みだりに討幕のいくさおこさんとし、長門宰相の暴臣のごと
尊攘戦略史 (新字新仮名) / 服部之総(著)