真裸まはだか)” の例文
旧字:眞裸
そこへ相役の一人が供先から帰って真裸まはだかになって、手桶ておけげて井戸へ水を汲みに行きかけたが、ふとこの小姓の寝ているのを見て
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
さうして、其くもみねをよく見ると、真裸まはだか女性によせう巨人きよじんが、かみみだし、身をおどらして、一団となつて、れ狂つてゐるやうに、うまく輪廓をらした。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
曇る空波のしろきを前にして網を打つなり真裸まはだかの人
註釈与謝野寛全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
真裸まはだかこころよさ、人目に触れぬ嬉しさにとほゝゑむ。
そうして、その雲の峰をよく見ると、真裸まはだか女性にょしょうの巨人が、髪を乱し、身を躍らして、一団となって、れ狂っている様に、旨く輪廓りんかくを取らした。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)