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みま
魘われたるごとく
四辺を
眗わし、
慌しく
画の包をひらく、
衣兜のマッチを探り、枯草に火を点ず。
魘はれたる如く
四辺を
眗はし、
慌しく
画の
包をひらく、
衣兜のマツチを探り、
枯草に火を点ず。
その黒目勝なのを
睜ったお妙は、鶯の声を見る時と
同一な可愛い顔で、路地に立って
眗わしながら、
橘に井げたの紋、堀の内
講中のお札を並べた、
上原と姓だけの
門札を
視めて
首を出して
眗わすと、がさともせぬ裏の
塵塚、そこへ潜って
遁げたのでもない。
と、行燈の左右に立って、思わず
四辺が
眗わされた。