みま)” の例文
おそわれたるごとく四辺あたりみまわし、あわただしくの包をひらく、衣兜かくしのマッチを探り、枯草に火を点ず。
紅玉 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おそはれたる如く四辺あたりみまはし、あわただしくつつみをひらく、衣兜かくしのマツチを探り、枯草かれくさに火を点ず。
紅玉 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
その黒目勝なのをみはったお妙は、鶯の声を見る時と同一おんなじな可愛い顔で、路地に立ってみまわしながら、たちばなに井げたの紋、堀の内講中こうじゅうのお札を並べた、上原かんばらと姓だけの門札かどふだながめて
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
首を出してみまわすと、がさともせぬ裏の塵塚ちりづか、そこへ潜ってげたのでもない。
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と、行燈の左右に立って、思わず四辺あたりみまわされた。
露萩 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)