相距あいへだ)” の例文
相距あいへだつこと、およそ三十間ばかりの所で、秀吉も馬を降り、手綱たづなを、武者にあずけて、つかつかと、こっちへ歩いて来た。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
間もなく、峠の峰から一面に道を押しくだった浪士側は干草山ほしくさやまの位置まで迫った。そこは谷を隔てて諏訪勢の陣地と相距あいへだたること四、五町ばかりだ。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
黒血川と関の藤川と混同しやすくて別物であること、だが、その相距あいへだたることは、さまで遠いものでないことが、混同され易い理由であること——関の藤川の名がいたずらに高くして、その実物は
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
しかも水は急なり、順風は帆を扶けて、たちまち、相距あいへだつこと二十余里、空しく魏船は、それを見送ってしまった。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
相距あいへだたること遠いものを思わすばかりだった。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
久しいかな、兄弟相距あいへだち、また相会うこと。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)