相合傘あひあひがさ)” の例文
二足にそくつかみの供振ともぶりを、見返みかへるおなつげて、憚樣はゞかりさまやとばかりに、夕暮近ゆふぐれぢか野路のぢあめおもをとこ相合傘あひあひがさ人目ひとめまれなる横※よこしぶきれぬききこそいまはしも
怪談女の輪 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「兎も角も、あの雨の中を、十三、四の小娘と相合傘あひあひがさで、行つて見ましたよ。坂を登つて二つ三つ路地を拔けて、何處へ行つたと思ひます、親分?」
大きく消炭で、無恰好な相合傘あひあひがさと、其の下へ、握り飯に箸を突き差したやうな人の形とを書いて、上の方には、「大仲よし、定吉、お駒」と下手な字が行を並べて出來てゐた。
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)