直截ちよくせつ)” の例文
努力、死、自然の冷淡、生命(親と子)の矛盾と愛——これのものの関係を汝の墓ほど直截ちよくせつかたるものはほかにない。
愛は、力は土より (新字旧仮名) / 中沢臨川(著)
「ああ云ふ連中の言葉を聞いてゐると、我々には思ひもつかない、直截ちよくせつな云ひまはしを教へられる事がある。」
山鴫 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
されどサンタがさがの拿破里婦人の特色と覺しく、ことばを出すに輕快にして直截ちよくせつなる、人に接するに自然らしく情ありげなるは、深く我心に銘せり。その夫は博學の人と見えたり。
かれ直截ちよくせつ生活せいくわつ葛藤かつとうはらつもりで、かへつて迂濶うくわつやまなかまよんだ愚物ぐぶつであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)