目量めかた)” の例文
包のこばを、歯で破って小判の山吹色をのぞいたり、目量めかたを手で計ってみたり、独りで、首をかしげ、錯覚を起し、そして、妙な幸運さに、陶酔をしている。
治郎吉格子 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「相かわらずおおきな尻だぜ、台所充満だいどこいっぱいだ。串戯じょうだんじゃねえ。目量めかたにしたら、およそどのくれえ掛るだろう。」
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と、二、三本徳利の目量めかたを計ってみて、残っているかんざましを、鼻の先へ捧げてくる。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
界隈かいわいは間に合わせのにわか仕入れ、しけものが多うござりますので、どうしても目量めかたのある、ずッしりしたお堅いものは、昔からの藤沢に限りますので、おねだんも安し、徳用向きゆえ
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
洛陽の商人は、の上の目量めかたを計りながら
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)