皷動こどう)” の例文
けれども……皷動こどうまつたしづまつて、ながれがもとのゆるやかさにかへつたころきはめてしづかにあゆつてるものびしさを
日の光を浴びて (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
熱くなった私の唇には、まだ彼女の唇が感じられ、皷動こどうする私の胸には、まだ彼女の体温が残っている様に思われた。
陰獣 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
皷動こどうする心臓、唇を約束する微笑、抱愛ほうあいを約束する唇!——そして最初の接吻、思わず眼を閉じさせる、あのいつ終るとも見えぬながいながい接吻、あの接吻こそやがて女のすべてを我が物にする
心臓の皷動こどうに調子を合せて
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
彼女の動悸の外に、もう一つ別の調子の皷動こどうが、身近かに脈うっていることを感じたのだ。
黄金仮面 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
そしてしばらまくらについてからも皷動こどうをさまらなかつた。
日の光を浴びて (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
蘭堂の皷動こどうが早くなった。逃げ出したいような恐怖を感じた。
悪霊物語 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)