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百目蝋燭
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ひゃくめろうそく
ふりがな文庫
“
百目蝋燭
(
ひゃくめろうそく
)” の例文
広い家の隅々にまで
百目蝋燭
(
ひゃくめろうそく
)
を立てつらねて、ひとりつくねんと待っていると——風が出たか、古い
椽
(
たるき
)
がみしと鳴ったりしてなんとも物凄いようだ。
早耳三次捕物聞書:04 海へ帰る女
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
見附
(
みつけ
)
のわきまでゆくと、まっ黒に人がたかっていた。
蓆掛
(
むしろが
)
けの中に
百目蝋燭
(
ひゃくめろうそく
)
の明りがゆらいでいる。太平記読のしわがれた声が内から大勢のあたま越しに聞えてくるのだった。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
動揺
(
どよめき
)
渡る見物は、大河の水を
堰
(
せ
)
いたよう、見渡す限り列のある間、——一尺ごとに
百目蝋燭
(
ひゃくめろうそく
)
、裸火を
煽
(
あお
)
らし立てた、黒塗に台附の柵の堤を築いて、両方へ押分けたれば、練もののみが静まり返って
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そこここの
百目蝋燭
(
ひゃくめろうそく
)
の
灯
(
ほ
)
かげには、記念の食事に招かれて来た村の人たちが並んで膳についている。寿平次はそれを見渡しながら、
箸
(
はし
)
休めの
茄子
(
なす
)
の
芥子
(
からし
)
あえも精進料理らしいのをセカセカと食った。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
灯りが何よりの命とあって、泰軒の出現と同時に、気のきいた誰かが燭台を壁ぎわへ押しやって
百目蝋燭
(
ひゃくめろうそく
)
をつけ連ねたので、まるで昼のようなあかるさだ。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
百
常用漢字
小1
部首:⽩
6画
目
常用漢字
小1
部首:⽬
5画
蝋
漢検準1級
部首:⾍
14画
燭
漢検準1級
部首:⽕
17画
“百目”で始まる語句
百目筒
百目
百目木
百目柿