痴鈍ちどん)” の例文
痴鈍ちどんな童、故あって、郷里にもうとまれ、とかく、肉親はらからたちとも、折合いのむずかしい者故、長く、当家の下僕のうちになと、飼いごろしに
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
直ぐに彼女からは下品げひんな陳腐なもの、意地惡い、痴鈍ちどんなものとなつて返つて來るのだと分つたときにも、また——私は、決して落着いた堅實な家は持てない。
解らなかない、解ってるよ。なれないにきまってるんだ。はばかりながらここまで来るには相当の修業がるんだからね。いかに痴鈍ちどんな僕といえども、現在の自分に対してはこれでしろ
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
だが鈍重で痴鈍ちどんで感じのにぶい、まるで私の趣味には合はないものだつた。私はよろこんで彼女に正業をはじめるに十分な金を與へて、ちやんと、あの女と手を切つた。