“疵口(くち)” の例文
かならず大切(だいじ)にせい軽挙(かるはずみ)すなとおっしゃるは知れたこと、さあ此衣(これ)を着て家に引っ籠(こ)み、せめて疵口(くち)のすっかり密着(くっつ)くまで沈静(おちつ)いていて下され、とひたすらとどめ宥(なだ)め慰め
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
せめて疵口(くち)の悉皆(すつかり)密着(くつつ)くまで沈静(おちつい)て居て下され、と只管とゞめ宥め慰め、脱ぎしをとつて復(また)被(き)すれば、余計な世話を焼かずとよし、腹掛着せい、これは要らぬ、と利く右の手にて撥ね退くる。
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)