疫病やくびょう)” の例文
その古い狐は、もう身代りに疫病やくびょうよけの「源の大将」などを置いて、どこかへ逃げているのです。
とっこべとら子 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
可愛かわいい、大事な、唯一人の男のわずらっておりますものですから、その病を——疫病やくびょうがみを——
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
今年は暑気が強く、悪疫あくえきが流行する。これを予防するには、家ごとに赤飯をいて食えと言い出した者がある。それが相当に行われて、俄かに赤飯を炊いて疫病やくびょうよけをする家が少くないという。
廿九日の牡丹餅 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
それはマグノリアの木にもあらわれ、けわしいみねのつめたいいわにもあらわれ、谷のくら密林みつりんもこのかわがずうっとながれて行って氾濫はんらんをするあたりの度々たびたび革命かくめい饑饉ききん疫病やくびょうやみんな覚者の善です。
マグノリアの木 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
あの疫病やくびょう婆め。ひとの難儀に付け込んでいろいろの悪巧みを
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)