男鹿おじか)” の例文
彼は、若い男鹿おじかの四肢のように、スラリとしなやかな少年の姿を、飽かず眺めたり、父と母とにかたみに話しかける簡単な会話に、耳を傾けたりしていた。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
春日の森にひぐらしとつくつくぼうしが私の汗をなおさら誘惑する。男鹿おじかはそろそろ昂奮こうふんして走るべく身がまえをする。
タマノオヤの命に命じて大きな勾玉まがたまが澤山ついている玉の緒の珠を作らしめ、アメノコヤネの命とフトダマの命とを呼んで天のカグ山の男鹿おじかの肩骨をそつくり拔いて來て
鬼怒川温泉の上流新藤原で電車を降り、川治温泉で鬼怒川と分かれる男鹿おじか川をたどり、会津境の中三依に至れば、山女魚が相混じって鈎に掛かる。さらに不動滝を越えた上三依は岩魚の本場である。
雪代山女魚 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)