男優おとこまさ)” の例文
また前大臣の奥さんである老尼僧も大臣に劣らぬ活発な気象だが、女ですから幾分か優しいところもあるけれども男優おとこまさりの思想を持って居られたです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
私のそれからの男優おとこまさりのような事務的生活が始まりました。その間二三度その男は帰って来ましたが、何とも云わずに酒を飲んで、また寂しそうに海へ帰って行きました。
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
其の年の秋までに謀策たくみ仕遂しおおせるのに一番むずかしいものは、浮舟うきふねという老女で年は五十四で、男優おとこまさりの尋常ひとゝおりならんものがいて居ります。此者これを手に入れんければなりません。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ばあ其方そちは誠に男優おとこまさりの気質である、現在の一人の忰を手にかけて殺すとは、実につらい事であろうが、わしや音羽に義理を立て、お前が手をおろして斯う計らい、また丈助も先非ぜんぴ後悔して