田舎人いなかびと)” の例文
旧字:田舍人
親鸞は、むしろ、これから、文化に恵まれない辺土の田舎人いなかびとのあいだに交じって、土と共に生きもし、自分の心も、もっと養いたいと思います。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「私の日本語、内務大臣に褒められる。田舎人いなかびとが感心する」
凡人伝 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
彼は都を知らない若僧にゃくそうだった。この北国の山や樹や田舎人いなかびとしか見ない眼には、まばゆいように二人のすがたや肌が美しく見えたらしい。——が、はっと気づいて
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その門前には、造花の蓮華れんげだの、白張しらはり提灯ちょうちんだのが出ていて、小紋の短か羽織を着た田舎人いなかびとだの、編笠をかぶった紋服の人々だのが、大勢、陽溜ひだまりの往来に佇立たたずんでいた。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)