田畑でんばた)” の例文
御影みかげに住んでゐる男が、国元に相応かなり田畑でんばたを持つてゐるので、小作米の揚つたのを汽車で送らせて、御影の家でたくはへてゐるのがある。
とる原田兵助はらだひやうすけと云者あり常々田畑でんばた耕作かうさくする事を好みしが或時兵助山の岨畑そばはたへ出て耕作しけるに一つの壺瓶つぼがめ掘出ほりだしたりひそかに我家へ持ち歸り彼壺を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
汽車、利根川の鉄橋に差し掛かれば、雨はますます激しく、ただ見る、河水は氾濫はんらんして両岸湖水のごとく、濁流滔々とうとう田畑でんばたを荒し回り、今にも押流されそうな人家も数軒見える。
本州横断 癇癪徒歩旅行 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
親の如くに尊敬うやまひかりにも其意にそむく事なく五節句其外何事によらず自分が門弟中より申受たる金子有時は兄半作へつかはして田地でんぢ田畑でんばた買求かひもとめさせ兄半作の身代を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
稱す茲に説出ときいだすは其大岡殿勤役中屈指の裁許にして頃は享保年間に越後の國高田の城下を距事さること七八里寶田村たからだむら工藤傳吉くどうでんきちと云ふ百姓あり祖父の代より田畑でんばた數多あまた持ち傳吉が父傳藏の代迄名主役を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)