生獲いけど)” の例文
「この次ぎから、必ず召し捕れ。よいか、召し捕るのじゃぞ。召し捕る……つまり生獲いけどりじゃ。殺してはならぬ」
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
ナニそりゃア真黒まっくろに面を塗って頬冠ほっかぶりをしてナ、丹波の国から生獲いけどりましたと云う荒熊あらくまの様な妙な面になってきゃア仮令たとえ面を見られたって分りゃアしねえから
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
砂を食ったかれいでも捕めえると、なんのこたあねえ、鯨でも生獲いけどったような気なんだから適わねえ、意地の汚ねえ野郎が揃ってるんだから、どうせ浜で焼いて食おうって寸法だろうが
長火鉢のむこうに、芸者屋に生獲いけどりになった兄さんのように、荒い丹前たんぜんか何か引っかけて、女みたいな顔でやに下っているのが、これぞ、江戸に聞えた喧嘩の専門家、観化流皆伝かいでん達剣たっけん、茨右近だ。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)