瓦町かはらまち)” の例文
思案橋を渡つて、瓦町かはらまちを西へ進む坂本の跡には、本多、蒲生がまふの外、同心山崎弥四郎、糟谷助蔵かすやすけざう等が切れ/″\に続いた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
あたり一面の光景は疲れた母親の眼にはあまりに色彩が強烈きやうれつすぎるほどであつた。おとよ渡場わたしばはうりかけたけれど、急におそるゝごとくびすを返して、金龍山下きんりゆうざんした日蔭ひかげになつた瓦町かはらまちを急いだ。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
「出雲屋さんは一足先へ出ましたが、あとの三人はおたなの人達と一緒に、バラバラに出掛けるうち、——私は家から使の者が來て、途中から瓦町かはらまちまで引返し、四半刻ばかり手間取つて來ると、この始末でございました、へエ——」
人数もぽつ/\つて、本町堺筋ほんまちさかひすぢでは十三四人になつてしまふ。そのうち瓦町かはらまちと淡路町との間で鉄砲を打ち合ふのを見て、やう/\堺筋さかひすぢを北へ、衝突のあつた処に駆け付けたのである。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)