瓜生うりゅう)” の例文
今ここへ来かかった二人の娘は、その賄組の瓜生うりゅう長八の娘お北と、黒沼伝兵衛の娘お勝で、いずれも明けて十八の同い年である。
半七捕物帳:69 白蝶怪 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
瓜生うりゅう衛門えもんだが、あれはもうだいぶ年をとってしまったから、あまり役には立たんだろうが、ま、よく面倒をみておやりなさい。
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
も一つは瓜生うりゅう岩子銅像の側にある宗因、芭蕉、其角の句碑、文化六年観音堂の北方、人丸堂の前へ俳人菜英の建てたもの。
明治世相百話 (新字新仮名) / 山本笑月(著)
彼曰く「節母烈婦あり、しかりて後孝子忠臣あり、楠、菊池、結城ゆうき瓜生うりゅう諸氏において、これを見る」と。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
また、戦争の光景や、大将、中将の似顔をいた「ウチオコシ」が非常に流行した。黒木大将や、大山、野津、乃木、瓜生うりゅう海軍中将などの似顔と名を覚えたのも、その頃であった。
戦争雑記 (新字新仮名) / 徳永直(著)
もう一つは、今、彼の立っている所から東へ真っ直に、志賀山越えの裏街道をとり、白河の上流から瓜生うりゅう山のふもとをあるいて、薬師堂の辺りからそこへ行き着くという道も選べる——
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
やがてわらべ達の唄声が次第に遠く消えて行く頃、瓜生うりゅう衛門えもん、右手より現れる。丘の上の人影をそっとうかがうようにみている。
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
瓜生うりゅう、瓜生っ」
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
手前は実はちょうど、家内と一緒になる積りでおりましたもので、それから間もなく瓜生うりゅうの山へ帰ってしまいました。
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)