琉球人りゅうきゅうじん)” の例文
御主人は時々振り返りながら、この家にいるのは琉球人りゅうきゅうじんだとか、あのおりにはいのこが飼ってあるとか、いろいろ教えて下さいました。
俊寛 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
訓示は主として彼らがシナ人や琉球人りゅうきゅうじんの船に妨害を加えてはならないこと、オランダ船にはホルトガル人および切支丹キリシタン僧侶そうりょは一人たりとも載せて来てはならないこと
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
また同じ島に滞在中のある夜琉球人りゅうきゅうじんの漁船が寄港したので岸の上から大声をあげて呼びかけたら、なんと思ったかあわててともづなをといて逃げうせ、それっきり帰って来なかったそうである。
小浅間 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
とまた、忽ちさるごとく甲板にじのぼってきては、同じ芸当を繰返くりかえすのでした。その中に、ぼくは片足の琉球人りゅうきゅうじん城間クスクマぼうという、赤銅色しゃくどういろたくましい三十男を発見し、彼の生活力の豊富さにおどろいたものです。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
一体あの時おれの所へ、船のはいったのを知らせたのは、この島にいる琉球人りゅうきゅうじんじゃ。それが浜べから飛んで来ると、息も切れ切れに船々と云う。
俊寛 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)