猪苗代いなわしろ)” の例文
また『老媼茶話ろうおうちゃわ』には猪苗代いなわしろ白木城の百姓庄右衛門、同じく磐梯山の奥に入って、山姥のかもじと称するものを見つけたことを載せている。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
(はがき)今日きょう越後えちご新津にいつを立ち、阿賀野川あがのがわの渓谷を上りて会津あいづを経、猪苗代いなわしろ湖畔こはんの霜枯れを圧する磐梯山ばんだいさんのすさまじき雪の姿を仰ぎつつ郡山こおりやまへ。
柿の種 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
「久しぶりで猪苗代いなわしろから会津あいづの方へ行ってみようと思っている。途中で宇都宮の友達をたずねて、それから……。」
慈悲心鳥 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
遠く猪苗代いなわしろの湖を渡り、何百里の道を往復し、多年慶喜の背後うしろにあって京都の守護をもって自ら任じた会津あいづ武士が、その正反対を西の諸藩に見いだしたのも決して偶然ではなかった。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
然るに小田原陣の手柄が有って後に会津にめらるるに就ては、大沼、河沼、稲川、耶摩やま猪苗代いなわしろ、南の山以上六郡、越後の内で小川の庄、仙道には白河、石川、岩瀬、安積あさか、安達、二本松以上六郡
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
葛 あの、猪苗代いなわしろのお姫様がお遊びにおいででございますから。
天守物語 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)