トップ
>
物象
>
ぶっしょう
ふりがな文庫
“
物象
(
ぶっしょう
)” の例文
とかく
物象
(
ぶっしょう
)
にのみ使役せらるる俗人は、五感の刺激以外に何等の活動もないので、他を評価するのでも形骸以外に
渉
(
わた
)
らんのは厄介である。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
だが事実は、彼ひとりで、そういう
物象
(
ぶっしょう
)
が物の
怪
(
け
)
のように消えてしいんと大広間に、友禅の夜具をかけられて、死骸のように寝ていたのである。
梅颸の杖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
かの
爛漫
(
らんまん
)
たる桜花と無情なる土塀と人目を忍ぶ少年と
艶書
(
えんしょ
)
を手にする少女と、ああこの単純なる
物象
(
ぶっしょう
)
の配合は
如何
(
いか
)
に際限なき空想を誘起せしむるか。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
昨日開いた第一回目の知らせには「君は今寄宿舎の自室に居る。机の上には
物象
(
ぶっしょう
)
の教科書の、第九頁がひらいてあり、その上に南京豆が三粒のっているだろう」
海底都市
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「しかしだ、たとえ幽霊やお化けが今実在するにしてもだ、その幽霊やお化けは、かならずぼくらの習っている
物象
(
ぶっしょう
)
の原理にしたがうものでなくてはならない」
時計屋敷の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
象
常用漢字
小5
部首:⾗
12画
“物”で始まる語句
物
物凄
物語
物憂
物識
物怪
物騒
物置
物音
物思