片語かたこと)” の例文
尿いばり小路の子供たちは、忽ち道をはばめて、寄りたかったが、三名のばてれんは、うるさい顔もせず、片語かたことの日本語でにこにこさとしながら歩いていた。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「誰でもいい! 外国語のわかるものはみんな出て来い! 片語かたことでもかまわぬし、また土語でもかまわんぞ! 申し出てくれ!」としまいには大尉は大声で呶鳴どなった。
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
片語かたことの日本語でかう李が言ふと
一室 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
これらの話の間カパディア氏は不自由な片語かたことの日本語で日本の商人たちと値段の交渉をしながら
ナリン殿下への回想 (新字新仮名) / 橘外男(著)
ふと、そんな片語かたことだけが耳に残った。又四郎には、もとより何の事か、せなかったであろう。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)