爲業しわざ)” の例文
新字:為業
これ以上くはしくは其時の光景や人の爲業しわざを思ひ出すことは出來ない。これだけの事を思ひ出すのも、これから話すすかんぽからの聯想ゆゑである。
すかんぽ (旧字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
尋ねさがせしに行方ゆくへ知れざれば此は必定ひつぢやう桶伏をけふせにしたる石川安五郎が爲業しわざに相違有まじと人々言居ける所に大門おほもん番の重五郎が阿部あべ川の河原かはらにて何者にか切殺され死骸しがいは河原に有之との事なれば此はかれは番人の事ゆゑ白妙しろたへ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
臺所の戸棚をあけて、鹽の壺から鹽を出して紙に包むと云ふ事が、この時ばかりはとても難澁な爲業しわざであつた。
すかんぽ (旧字旧仮名) / 木下杢太郎(著)